何でそうするの?

 

Kとスーパーで食料品の買い物をした。

 

Kが一人で買い物に行くと、氷と冷蔵食品を保冷バッグに入れても、

入れ方が良くないので要冷蔵の物を常温にしてしまう。

 

毎回これなので氷の量や、氷と食品を保冷バッグに入れる時の注意点を

ここ数日伝えている。

 

「それなら自分でやれば良いでしょう」そういう人もいる。

でも、私にその余裕はない。

やってくれるならばやって欲しい。

そもそもやれるものなら自分でやっている。

 

本日はKが「ちゃんとやった」と言う。

言われた通りにやった、大丈夫だ、と。

ここで確認すれば良いのだろうが、私は毎日、何度も何度も

自分のことだけでなく、Kの確認をしているので、正直言って確認には疲れている。

「これだけ説明してきたのだから大丈夫だろう」と確認をしなかった。

家に帰ったら冷蔵庫に入れてと話した。こちらは手が開かないので。返事をした。

忘れるといけないのでメールも2回した。

 

そして帰宅後、3時間以上経過した時に保冷バッグに入ったままの食品に気付く。

開けると小さな氷が食品の一部を少しだけ冷やしていた。

 

Kに言った。

「今日もこの入れ方だから、食品が冷えてないよ」

「そんなはずはない!」

「ほら、見て。冷えてないでしょう」

「いや、そんなはずはない。測ってみる?」

私は調理用の放射温度計で食品の温度を数か所測った。

Kが食いつき気味に温度計を覗き込んできた。

どこを測っても気温だった。

「ね、気温になってるでしょう」

「あっちは? そっちは?」

Kがあちこち指差すままに温度を測る。しかし温度は0、5℃くらいしか変わらない。

「あのさあ、知らないかもしれないけれど、

放射温度計って白い物は正しく計測出来ないんだよ」

と、急にエラソーになる。

「だからその数値は間違えている」

「じゃあ、全然白くないものを測ろうか」

Kが更に食いつき気味に手元を覗き込んでくる。測り方にズルさせるものか、

と言わんばかりだ。

(勘弁してくれよ~いい加減調理に取りかかりたいのだけれど)

私は白くない物を次々に測った。

「ほら、同じでしょう」

「こちらは物理学的な話をしている」

「とにかく、いつも言っているように保冷バッグに入れて」

「ちゃんと入れた」

「そしてすぐに冷蔵庫に入れておいてと言って分かったと言ったのだから、そのままにしないで」

「いや。それは聞いてない」

「言ったよ。メールも送った」

「いや」

「いやじゃないし。とにかくお買い物好きなら、(Kは買い物好き)

買ってから冷蔵庫に入れるまで時間がかかるならば保冷剤を持って行くか

氷頂いて保冷して。帰って来たらすぐに冷蔵庫に入れてね」

「そんなはずはない」

「何がよ?」

「いや、あの温度はおかしい。冷えないはずはない」

「だからさ……。あの氷の量で、あの入れ方で、3時間以上も放置したら気温になってしまうんだって」

「そんなはずはない」

 

悪い人じゃないんです。恵まれているんです。感謝しなければいけないんです。

 

でも、この会話を何時間続けるのでしょうか。

「そんなはずはないことだから言っている」

 

私は調理に取りかかりました。

夕食の開始は22時を過ぎました。

 

ふと思いました。

この人、何か困ったことが起きた時に、

「自分が何かしたからこうなったんじゃないか?」

と反省することなんてあるのかしら。

今回のことのように、自分に原因を見出すことなどせずに、

自分以外に要因を見付けようとするんじゃないかしら。

だから変わらないのかしら。

 

それに、謝ってないよね。

それくらい言ってやろうと思い、

「ね、何で謝らないの?」

と聞いたら。

「謝っているよ、何度も、何度も、こっちはずっと謝り続けているよ」

「え? いつ?」

「ずっと」

時として、自分の行動と認識が違うことがあります。

後から自分の行動について説明する時は、まったく別人のように

美化してます。

 

私のわがまま。私のような人だからストレスがたまってKはそうなるのでしょう。

一日に何度もこういう会話をしています。